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昔々、人間と魔法使いが共存する小さな町がありました。
その町外れには1人の人形師の少年が住んでいました。
少年の作る人形達はとても美しく、儚く、そして優しさと愛に溢れていた。
少年の創るドール達はどの子達も瞳が宝石で出来ており、その輝きは見る人の心を魅了した。
そして少年はドール達に言いました。
"僕の可愛いドール達。君達は僕の宝物だよ。"
その時、1人の老紳士が現れた。
"これは素晴らしいドール達だ。
そうだ。少年、ゲームをしようか。人々を魅了したドールは本物の人間になれる。どうだい?"
"ふふ、お爺さんは面白いことを考えるんだね。とても面白いけど、僕は人間だから魔法は使えない。他の人形師を当たってくれる?"
"おやおや。それでは私が魔法をかけよう"
そう言って老紳士はドール達に向かって杖を振った。
部屋中が銀色のキラキラとしたもので包まれた。
老紳士はこう言った。
"この砂時計が全て落ち終わった時が始まりの合図だ。"
__西暦××××年___
キラキラのネオンに人々の楽しそうな声。
世界は様々なエンターテインメントが盛んになっていた。
街を歩けばどこにだって歌やダンス、サーカスなど沢山エンターテインメントが行われている。
エンターテインメントの中でも【アイドル】がより人気をあげていて、俗に言うアイドル戦国時代と言われていた。
そんな賑やかなメインストリートから離れた静かな森に、ひっそりと佇む古い大きな館があった。
その館のひと部屋に月明かりが射し込む。
"おや、そろそろ時間のようですね。"
声の主は砂時計を机に置き、月明かりに照らされたドール達に向かって言った。
"It’s show time"
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