𝒸𝒽𝒶𝓇𝒶𝒸𝓉ℯ𝓇 𝓈𝓉ℴ𝓇𝓎 "𝒞𝒽𝒶𝓇𝓁ℴ𝓉𝓉ℯ "
子供達の笑い声
楽しく遊ぶ声が聞こえる
ここはとある孤児院で、私のご主人様はこの孤児院の院長先生をしているの
院長先生はとっても優しくて心の温かい人だけど時々すごく厳しい
テーブルマナーや一般常識に関してはとても厳しい人
でも厳しさの中に愛のある人よ
私はこの孤児院が建てられた日に院長先生に拾われたの
孤児院の前に箱ごと置きっぱなしにされた私を優しく抱きしめてくれた
" 貴方が私の孤児院の1人目の子ね"
そう言って笑いかけた
その笑顔はとても美しくて花が咲くようだった
院長先生は私に『シャーロット』という名前をつけてくれた
院長先生は容姿端麗でお料理もお裁縫も凄く上手
皆のお母さんみたいな院長先生
皆も私も院長先生が大好きだった
中でも裁縫の腕はプロ並みで、ここにいる子が院を卒業する時には必ず服を手作りしてプレゼントしていたの
そのクオリティはとても高くて売っているものと変わらないぐらい素敵なのよ
院長先生はちょっとおっちょこちょいなところもあるけど持ち前の明るさと笑顔で乗り切っていた
孤児院が出来てから10度目の春、この頃から院長先生はよく街へ出かけるようになった
大きなカバンに書類のようなものを沢山入れて
忙しそうだったけどいつも笑顔だった
そんな日々を過ごしていたある日、院長先生の顔にいつもの笑顔がなかったの
その夜、みんなが寝静まった頃いつものようにティータイムをしていた
院長先生は私にぽつりと零した
"シャーロット、この辺りで大きな都市計画があるみたい。それでここが取り壊されることが今日決定したってさっき電話があったの…"
" 取り壊しを取り下げてもらうようにしたけどダメだった…街の人にも署名をしてもらったり色々やってきたのに…どうしようシャーロット…"
院長先生は悔しそうに涙を浮かべた
"せっかく皆の居場所が出来たのに…私、もうどうしたらいいのか分からないわシャーロット…"
そう言って涙を零した
いつも笑顔の院長先生が子供のように泣いてる
私は祈った
"神様、どうか私達を、この院を救ってください…どうか…どうか…"
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