𝒸𝒽𝒶𝓇𝒶𝒸𝓉ℯ𝓇 ℯ𝓅𝒾𝓈ℴ𝒹ℯ " 𝒮ℴ𝓅𝒽𝒾𝒶 "

その日は雷の鳴り響く日だった。

ある男が占いをしてもらっていた。

"占いたいことはこんなものかしら?"

"ええ、ありがとうございます。お代なのですが..."

と、男が言い終わる前に

"お代ねえ...。金銭はいらないからその人形変わりにいただけないかしら。"

男は不敵な笑みを零して

"こちらでよろしければ"

と彼女に渡した。

男が帰ったあと彼女は私を優しく抱きしめて

"あなたは今日からソフィアね!"

そう言った。

私はそれから彼女とともに過ごすようになった。

彼女は私のことをとても大事に大事に扱ってくれた。

ふと、私を見て彼女は言う。

__"雷のなる日、男現る。汝、その人形を得れば、幸福に満たされるであろう"__

"って占いが出たからもらってみたけど、おかげでお客様も増えたし!ソフィアも可愛いし!あなたが話せたり、お手伝いしてくれると更に嬉しいんだけど...まあ、それは願いすぎよね"

と、たまにため息をつき、どこか哀しい表情を見せるのだった。

大事にしてもらっている彼女になんとかしてその"願い"を叶えたい。

私がもし、喋れたら、手伝えたらどんなにいいだろうか...。

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